誇れ、雷鳥

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人間は阿呆だ。誰にだって恥ずかしい失敗はある。重圧をかけられることもある。 それでも前を、目標に向けて迷わず歩ける者がいる。 イリカには無くて、ライやハルカにある『強さ』とはそういうものなのだろう。 「レジスタンスの中には、お前を良く思っていない人間が多く居る。それでも反発が表面化しないのは、皆納得してんだよ。『イリカ・サンダーバード以上に、死人を少なくする策を練れる奴は居ない』ってな」 「ライ兄さん……」 「勿論オレやハルカも期待してる。好きにやれ。責任を取るのがオレらの仕事なら、期待に応えるのがお前の仕事だ」 頭を撫でるのを止めたライはもう一度笑って尋ねた。 「改めて聞くぜ。お前は一体、誰だったかな?」 イリカも笑った。自信を取り戻した瞳で。 「わたしはイリカ・サンダーバード。『知略師』の異名を持つ『雷鳥一族』の参謀、です」 「頼んだぜ、オレの妹」 「任せて下さい!」
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