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快晴。風は僅かに。ハニバルによるイセン攻略戦はそんな天気だった。
「挑発は無し、か。やはり敵を見て戦術を変えておるな」
バルト将軍がやられた様な露骨なものはない。迎撃ではなくうって出る気なのかもしれない。
ハニバルは兵に奇襲を警戒し、ゆっくりと行軍するように伝える。
「ニーナちゃん。いつ交戦してもおかしくない。出撃準備は万全かや?」
「誰にもの言ってんのよ」
ライフルを持ったニーナが鼻で笑った。今回は超長距離狙撃では無いので『クリティカルクリア』ではない純正のライフル。
「標的さえ出てこればいつでも仕留めてみせる」
「結構」
ハニバルはよっこいせと言いながら腰を下ろした。
「ニーナちゃん。少し聞きたいことがあるんじゃがいいかの?」
「……何?」
「儂の友は、シモン・ヘイホーは、どんな顔で死んでおった?」
予想外の質問にニーナは多少驚いたが、望むままに答えた。
「不思議と、安らかな死に顔だった。本当に殺されたのか分かんないくらい」
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