誇れ、雷鳥

18/104
前へ
/1704ページ
次へ
* 今回の戦い。最前線で部隊を引っ張っていたのはセリスだった。 ミナツとチフユは極力参加しないと言うのであれば、前衛で最も影響のある人物は『鉄槌童子』の異名を持つセリスである。 セリスが居る限り味方の士気は高まる。敵からは狙われやすい。特に厄介な敵に。 「ふっ!」 「おぉっと!」 セリスのハンマーが空中を割く。二刀の短刀を逆手で持った男が空中で一回転してそれを避けた。 魔法が広まっている現代に置いて、戦争のはじまり方は二通りある。 魔法攻撃による遠距離戦か、魔法強化による近距離戦。今回は後者だ。 お互いがぶつかりあい混戦、乱戦になりがちなのでこうなると魔砲士による援護は考えない方が良い。 大幅に打ち負けることはないが、お互いにジリジリと消耗していく。 「『タケミカヅチ―アックス―』」 鉄槌が大戦斧へと姿を変えもう一度男を襲う。二刀の男は上体を反らして回避。 その戦斧は勢いそのままに後ろからセリスに斬りかかろうとしていた軍人に直撃。真っ二つに両断した。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46125人が本棚に入れています
本棚に追加