誇れ、雷鳥

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一対一ではない。多数対多数。敵は目の前の相手だけじゃない。 周りにも気を張らなければ一瞬で殺られる。 「隙ありぃ!」 二刀の男は僅かなセリスの隙を見逃さない。刀が首を切り取ろうと迫る。 セリスはそれを屈んで回避。が、回避した先には男の膝が待っていた。 ゴッと鈍い音。クリーンヒットした、が。 「痛ぅ……!」 声を上げたのは男の方だった。所詮はただ合わせただけの曲芸。 しっかりと額で受ければ、『鬼』の首の筋力押し戻せる。 「『タケミカヅチ―ハンマー―』」 元の鉄槌に戻った『タケミカヅチ』をセリスは思いっきり降り下ろす。 「おわっ!」 慌てて後ろに下がる二刀の男。しかし、セリスの真骨頂はハンマーによる重心移動からの格闘術。 ハンマーを起点に腕を引いて腕力、脚力を使った跳躍。 「ごふ……」 セリスの跳び蹴りが二刀の男に炸裂する。しかし刀をギリギリ挟んでいたようでダメージは軽減された。
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