誇れ、雷鳥

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後ろにゴロゴロと転がる男。何回転かした後に立ち上がった。 「いっつ……なんつー馬鹿力してやがる……ってああああ!!」 男の持っていた短刀が二本ともポッキリ折れていた。 「安物使ってるからだ」 「るせぇ!軍人の安月給をナメんなよ!……つーか、やっぱ『鬼』との接近戦は分が悪ぃ……皆も若干押し込まれてるし……」 セリスと戦いながらも男は周囲を確認していたようで男が号令をかける。 「全員少し下がるぞ!追撃に気を付けろよ!」 男の号令とともに隊が退いていく。 「あばよ、『鉄槌童子』。とりあえずはさよならだ」 「……セリス・サンダーバードだ。呼びたければそっちで呼べ」 男は一瞬きょとんとしたがニヤリと笑って返す。 「ガラン・ハッド、だ。今度は『痛み分け』じゃ済まねぇぜ」 ガランはセリスに背を向けて撤退していく。途中、レジスタンスの何人かが邪魔をしにかかるが全て折れた刀で素早く返り討ちに。
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