誇れ、雷鳥

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「セリスさん!敵が退いていきます!どうしますか!?」 「わたし達も下がるぞ!敵の魔法の迎撃準備!」 「了解……ってセリスさん、それ!」 「かすり傷だ」 セリスは頭から流れ出している血を腕で拭った。とてもかすり傷には見えないが。 「くそ……膝に鋼かなんか仕込んでたな……」 桃色の髪を醜い赤に染めながらセリスは悪態をつく。懐から布を取り出して額に巻いて応急措置。 ガラン・ハッド。身のこなし、小柄な肉体。恐らくだが『忍族』。 流石は本腰をいれた軍隊。粒が揃っている。 「魔法弾幕第一陣、来ます!」 「自信のない奴はわたしの後ろに来い!」 セリスのハンマーがまた姿を変える。 「『タケミカヅチ―ディスク―』」 鎖の繋がった円盤へと変わったタケミカヅチをセリスは目の前でぐるぐると盾を作るように振り回した。 着弾と同時に多くの『魔弾』が弾き飛ばされる。弾き漏らしたものは頼りない『防弾』に防いで貰った。
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