誇れ、雷鳥

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魔法弾幕が一旦途切れる。すぐに第二陣がくるであろう。 「損害報告!」 「損害軽微!今すぐ動けます!」 「本隊のイリカの嬢ちゃんから通信だ!退路はやや東寄りに、町への進路は開けても良いってよ!」 「分かった。敵の第二陣に応戦しつつ釣り出すぞ!」 「「応!!」」 魔法弾幕をさばきつつ後退するセリス達。その中で一人だけ遅れている者が居た。セリスは声をかける。 「どうした!?置いていくぞ!」 「魔力が尽きかけてて……セリスちゃんに粘膜接触で魔力補給してもらえばなんとか―」 「ドリブルして運べばいいか?」 「すんません、走ります」 初陣なのにまだ軽口を叩けるだけの余裕がある。この隊は案外大物になるかもしれない。 無論、始まったばかりのこの戦いを生き残れればの話だが。 「第二陣、来ます!」 「全隊、全速力で離脱!」 セリス達は背中を見せずジリジリと下がっていった。
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