誇れ、雷鳥

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油断は大敵。ブラウゼルは以前自分より体格がかなり小さいライに制圧されたことを思い出していた。 その失敗は二度と繰り返さない。 「大した力だ!」 そろそろ敵も主力をぶつけてくる頃。その読みは正しかったようである。 ブラウゼルの目の前には騎士甲冑を着込んだ巨漢が居た。まず間違いなく『鬼』だろう。 「我が名はウェイカー・ガラディン。いざ!」 武器は持っていない。特攻。ブラウゼルは態勢を低くして正面から迎え撃つ。 互いに組み合った。ゴゥン、という衝撃音が辺りに響く。 「ぬあああああ!!!」 「こいつ……!」 ウェイカーの雄叫びと共に込められるパワー。ブラウゼルも魔法と『MFA』のアシストを使って全力で押し返す。 結果は互角。両者均衡して動かない。 「そのまま抑えておいてくださいね、先輩」 後ろから声。ブラウゼルが首を回し見るとそこには。 『地上最強の草食動物』がブラウゼルを飲み込まんと大口を開いていた。
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