誇れ、雷鳥

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冷静なツッコミをブラウゼルが入れるが意に介さないウェイカー。 ウェイカーはぐるぐると太い腕を回す。バァルもノシノシと走り出した。 「うぬらあああああ!!!」 再び雄叫びを上げるウェイカー。突っ込んでくるバァル。その速度は、異常。 「『猛馬爆腕』!」 凄まじいスピードをつけたウェイカーのラリアットがブラウゼルを襲う。 ガードに挟んだ腕がミシミシと悲鳴を上げブラウゼルは吹っ飛ばされた。 「あんた俺がカバだからって言って嘗めてますね?」 バァルが挑発するように言う。カバはその鈍重な見た目とは裏腹に素早い。 足が短いので馬よりも小回りが効きやすく重心が安定しているので倒れにくい。 言うことさえ聞くのならカバは戦うことに適している身体なのだ。 バァルは大きな鼻から馬鹿にするように息を吐き出しながら言う。 「あんた、四足歩行を嘗めるなよ」 ブラウゼルはむくりと立ち上がる。 「これは、キツい仕事になりそうだ」
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