誇れ、雷鳥

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* 「もどかしいぜ……」 チフユは見るからにやる気無さそうにぐでーとしていた。 「まぁ、そう言うな。戦争はヌシの領分とは違うものよ。突っ込んでぶつかって終わりとは行かぬ」 その言葉を諌めるマリア。美しい金髪はやはり若干目立つ。 「だからってこう後ろで突っ立ってるだけってのもなぁ」 「仕方ないであろう?儂らが今回極力前に出ないことは知られておらんようやし、せめて後ろ楯にならんとな」 「後ろ楯?」 「儂らとて後ろにライが居るから自由に動けるであろう?そういうことよ」 人間、何か失敗するかもと思っても後ろにフォロー出来る人間がいれば大胆に動けるものである。 セリスが迷わず戦えるのも後ろにマリアとチフユが居るのが分かっているから。勿論、本人の素質も大きいが。 「それに、どうしても我慢出来んようになったら出ればよい。その言質は取ってある」 「……まぁ、イリカの言ってることだからあんま逆らう気はねぇけど」
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