誇れ、雷鳥

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狙撃手は二人が並んでいるところでマリアを狙ってきた。ならばこの状態でもマリアを優先して狙ってくる筈。 その相手の思考をただの直感で選んだチフユ。そしてその行動はドンピシャだった。 マリアに飛んできた銃弾をチフユが鞘ごとパング刀を振り回し弾き飛ばす。 「マリア!早く魔法を!」 「くっ……」 チフユの攻撃のダメージから立ち直ったマリアが魔法を紡ごうとする。しかし、 「がっ……!」 ここで狙撃手が狙いをチフユに変えた。左太股を撃ち抜かれ倒れるチフユ。その拍子に手から刀がこぼれ落ちた。 「『梅札』」 チフユが転がって移動する。しかし、 「『―鶯城―』」 マリアの魔法が完成すると同時に、チフユの身体が跳ねあがった。脳天に、銃弾を撃ち込まれたかのように。 マリアが使った魔法により魔力による巨大な城が出来上がる。魔力濃度が濃い為、外側から中を視認出来ない。 まさに要塞。イリカの作戦を遂行するに当たって非常に有用な物だった。
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