誇れ、雷鳥

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「すげぇ……!」 感嘆の声を漏らす人間が居る中、マリアが膝をついた。 「これは、堪えたな……」 「トメさん!?」 「悪いが、衛生士を呼んでくれぬか?儂はここを動くわけにはいかんのでな」 「ただいま!」 「オレも行く」 チフユがむくりと起き上がる。全員がギョッとした顔をする。 「何や、生きとったのか。丈夫な奴よな」 「丈夫なもんかよ。おかげで左もお釈迦だ。まぁ、指飛ばなかっただけマシか……」 チフユは左手に持っていた物を捨てた。それは、ライフル弾。 「チフユさん、それは……」 「ああ。避けられなかったから掴んで止めた」 あの一瞬でそんなことが出来るチフユに戦慄する。しかしその代償としてチフユの左の掌は火傷で爛れていた。 足を引き摺りながらチフユは町の中に帰っていった。 チフユ及び『武神姫』ミナツ。 『血染めの金色』マリア。 狙撃による負傷により戦闘不能。
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