誇れ、雷鳥

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「誉め言葉だ」 ハンマーを肩に担いで一呼吸。そのセリスの耳に直接通信が入った。 「敵本隊が中央部隊を強襲!同時刻に『武神』、『金色』が負傷により離脱!至急救援求む!」 「何っ……!」 「甘いぜ!」 一瞬の隙でセリスの腹にガランの蹴りが突き刺さった。 歯を食い縛り踏ん張るセリス。容赦なく迫るガランの短刀。 それを味方三人が前に出て防いだ。ガランが一旦距離を置く。 「セリスさん!下がって」 「すまん、任せた!」 セリスは状況を把握する為に後ろに下がった。背中から味方の悲鳴が聞こえてくる。 充分に下がったところで再び繋ぐ。 「もう一度詳しく説明しろ」 「こちら中央部隊!ハニバル率いる敵本隊に強襲された!今はトメさんの魔法で防いじゃいるが、破られるのは時間の問題だ!」 声から切羽詰まっているのが分かる。しかし、 「こっちは押しているがまだ時間がかかる。もう少し持たないか?」 「町の中に入られたらそれこそ終わりですよ!」
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