銃王姫と二丁拳銃

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リースはニーナから一歩退いた。明らかな拒絶の姿勢。 「ニーナ。リースの言う通りだ。こいつの銃には触るな。詮索することも許さん」 「お爺ちゃんは知ってるの?」 「ああ。だが知っても悪いことしかない。だから聞くな」 『クリティカルクリア』と同じく制約が重い『呪具』なのだろうかとニーナは考えた。 しかしそれにしては軽々しく使っている。考えてもこれだけのヒントでは分からなかった。 「それじゃあ今日は愚痴でも言い合おうよ。それくらいなら出来るよね?」 「はい。それくらいならいくらでも」 お互いに女軍人としてのストレスがあったのだろう。ご飯やお風呂の時間を除いてニーナとリースは愚痴を言い合った。 楽しかった。嬉しかった。仕事は抜きにして本音で話せたのは久しぶりだった。 リースは警戒心がまだあったからかあまり喋らなかったがニーナの話には時折笑う。 だから、この夜がニーナが気楽に過ごせた最後の夜になるとは思わなかった。
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