誇れ、雷鳥

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「今それを確認する為にわたしたちで動いています。確証が得られるまで部隊を固めないようにお願いします」 「分かった」 セリスはそのまま通信を切った。 「確実に勝て、か……」 セリスは小さく呟いた。急がなくていい。それならば出来る策はある。 「東部隊全軍に告げる!」 通信機越しで無くても聞こえるような大声。 「これより相手に全軍で『CA』を仕掛ける!一分後、作戦開始!」 「「応!!」」 一切の躊躇いも無く返ってくる言葉。元が軍人でもないのに恐れ入る。 この部隊はやはり強くなる。セリスはそう確信した。 だからこそ、この作戦は惜しい。成功しても多少戦力が削られる。 だが、セリスはふてぶてしく笑った。好戦的な『鬼』の血がセリスを燃え上がらせる。 『CA』。意味は、『チャージアタック』。『クラッシュアタック』と揶揄されることもある。 『全力特攻』、または『玉砕特攻』とも呼ばれる作戦は誰かの雄叫びと共に始まった。
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