誇れ、雷鳥

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* 「ガラン様!敵軍突っ込んで来ます!」 「わーってるよ!」 一旦下がったガランは状況を正確に把握していた。 セリスとガランの部隊は比べれば接近戦ではセリスが上で魔法戦ではガランの方が上だ。 しかし、ガランの部隊は相手を短時間で殲滅出来る程魔法が強いわけではない。 故に今の状況のように、多少の被害に目を瞑って突撃されると止めきることは不可能。 それでもガランはその作戦はしてこないと踏んでいた。 ただでさえ東に部隊が寄っているのにそんなことをすれば本隊からかなり離れてしまう。 こちらの本隊が突っ込んでるのにそれを無視して確実に潰しにくるとは。 「どうしますか!?」 部下の質問にガランは堂々と言い放った。 「尻尾まいて逃げる!逃げ切れねぇ奴は一人でも多く巻き込んで死ね!」 「「応!」」 ガランに出来ることは時間稼ぎ。少しでも長くセリスの部隊を留まらせて到着を遅れさせる。
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