46127人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、バァル。大将首が残ったぞ。どういうことだ?」
「知りませんよ……。あと、今回魔法支援出来なさそうなんで」
「構わぬ。フリークマンファミリーのボスだろうが、たった一人の人間よ。この近距離で、『鬼』と『狗』相手に勝てるわけもない」
「確かにな」
グレイは苦笑しながらウェイカーの言葉を肯定した。
「オレは他の『首』と違って大した取り柄もねぇからな。本当に、泣きたくなる」
強大な戦闘能力を持つわけではなく、特殊な才能があるわけでもなく、別段頭が回るわけでもない。
「でもよ、そんな俺を頼ってくれる馬鹿みてぇな『家族』が居るんだ。その期待を裏切るのは、『家長』としては出来ねぇな」
「何が言いたい?」
グレイは笑う。今度は苦笑ではなく、嘲笑。
「お前らは、ここで止まって貰う」
「……面白くない冗談だ」
「悪ぃな。俺はどっかの誰かと違って、嘘はつけねぇもんで」
グレイは拳銃をしまい、懐から新たな武器を取り出した。
最初のコメントを投稿しよう!