誇れ、雷鳥

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「おい、バァル。大将首が残ったぞ。どういうことだ?」 「知りませんよ……。あと、今回魔法支援出来なさそうなんで」 「構わぬ。フリークマンファミリーのボスだろうが、たった一人の人間よ。この近距離で、『鬼』と『狗』相手に勝てるわけもない」 「確かにな」 グレイは苦笑しながらウェイカーの言葉を肯定した。 「オレは他の『首』と違って大した取り柄もねぇからな。本当に、泣きたくなる」 強大な戦闘能力を持つわけではなく、特殊な才能があるわけでもなく、別段頭が回るわけでもない。 「でもよ、そんな俺を頼ってくれる馬鹿みてぇな『家族』が居るんだ。その期待を裏切るのは、『家長』としては出来ねぇな」 「何が言いたい?」 グレイは笑う。今度は苦笑ではなく、嘲笑。 「お前らは、ここで止まって貰う」 「……面白くない冗談だ」 「悪ぃな。俺はどっかの誰かと違って、嘘はつけねぇもんで」 グレイは拳銃をしまい、懐から新たな武器を取り出した。
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