誇れ、雷鳥

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それは回転式拳銃。艶消しが施された鈍い色。 「『魔具』……?」 「御明察」 バァルの疑問に律儀に答えるグレイ。ウェイカーは腕をグルグル回した。 「突っ込め、バァル!どんな小細工を施そうが、『ガラディーン』は破れない!」 カバの突進力と『鬼』の馬鹿力。大抵のことであればそのまま踏み潰す。 分かっていようが避けられないし、防げない。バァルはグレイに向けて突進を開始する。 グレイは間髪入れずに発砲。しかし、それは外れバァルの前の地面に着弾した。 バァルは鼻で笑ったが、変化が訪れる。 着弾した場所を中心に半径一メートル程の魔力の円が描かれた。止まることも出来ないのでそのまま立ち入る。 「『ブレーキ』」 「………ッ!?」 バァルの突進に異変が起きる。まるで何かの抵抗を受けたように『減速』した。 その間に悠々と突進の範囲から外れるグレイ。バァルの突進は空振りに終わった。
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