誇れ、雷鳥

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まるで氷の上のようにグレイの身体が滑る。ウェイカーの右を間一髪で回避するとそのままバァルの身体を潜る。 後ろ足を掴んで滑走を止めそのまま立ち上がってある部分に銃を押し付けた。 「オレは割りと狙うの下手だけどよ、流石にこの距離なら外しようがねぇだろ」 「お前、どこを……!」 「悪ぃがカバの特徴なんざ知らねぇんでね」 グレイは意地悪く笑っていた。 「ケツ穴にブチ込めばどんな奴でも落ちるだろ」 パァンパァン! 「あぎゃあああ!!!」 悲鳴を上げ駆け出すバァル。目の前の『ドリフト』を踏み滑る。ウェイカーは振り落とされた。ガシャンと鎧が地面に叩き付けられた音。 「『ガラディーン』、破れたり、とでも言っておこうか」 「この……!」 起き上がるウェイカー。バァルは人間形態に戻り尻を抑えながら下がっていった。 「貴様、たかだか『人』の分際で、このオレを虚仮にしたことを後悔するがいい!」 ウェイカーvsグレイ、開幕。
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