誇れ、雷鳥

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* 「意外と粘りおる」 ハニバルは目の前の魔法の城を眺めつつそう呟いた。 西東の敵が戻ってこないことは計算違いであるものの、致命的という訳ではない。 敵の増援が来ないのであればそのまま手薄の本陣に攻め混むのみ。 「魔法隊、敵の城を削れ」 「良いのですか?魔力を多く消費してしまいますが」 「構わん」 今は魔力を使ってもここを突破すべきだ。その指令を聞いた魔法隊が構える。 「ちょっと待って貰おうか」 その時、ハニバルの後ろから声が聞こえた。 「!?」 「よう、爺さん。あんまり動くと健康に悪いぞ」 そこには黒色の瞳を持つ西洋系の顔をした男が立っていた。 いくら最前線に居るとは言ってもハニバルは歴戦の将。定石通りに何人かの護衛が回りにいる。 その護衛が、そしてハニバル自身も声をかけられるまで接近に気付けなかった。 「……何奴よ?」 「薄々は勘づいてるんじゃねぇのか、『将王』」
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