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「意外と粘りおる」
ハニバルは目の前の魔法の城を眺めつつそう呟いた。
西東の敵が戻ってこないことは計算違いであるものの、致命的という訳ではない。
敵の増援が来ないのであればそのまま手薄の本陣に攻め混むのみ。
「魔法隊、敵の城を削れ」
「良いのですか?魔力を多く消費してしまいますが」
「構わん」
今は魔力を使ってもここを突破すべきだ。その指令を聞いた魔法隊が構える。
「ちょっと待って貰おうか」
その時、ハニバルの後ろから声が聞こえた。
「!?」
「よう、爺さん。あんまり動くと健康に悪いぞ」
そこには黒色の瞳を持つ西洋系の顔をした男が立っていた。
いくら最前線に居るとは言ってもハニバルは歴戦の将。定石通りに何人かの護衛が回りにいる。
その護衛が、そしてハニバル自身も声をかけられるまで接近に気付けなかった。
「……何奴よ?」
「薄々は勘づいてるんじゃねぇのか、『将王』」
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