誇れ、雷鳥

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ハニバルは息を飲んだ。特徴が、ニーナから聞いた人物と被る。 ロッパの顔立ちに黒い瞳。ヘラヘラ話して掴み所の無い。 「『ライ』、か?」 「……へぇ、本当に知ってんだな。ニーナか」 不敵な笑みを浮かべているライ。しかし、目的がハニバルには分からない。 「何をしにきた?」 「あんたの首を貰いに来た、という答えじゃ不満か?」 「不満じゃな」 ハニバルは首を横に振って否定する。殺す気でいるならば、話しかけずに殺れば良い話。 その方が確実性がある。わざわざ声をかけたと言うことは、そう出来ない事情があると考えるのが普通。 ライは頭を掻きながら答える。 「そんな大した理由はねぇよ。出来れば生け捕りにしたいなぁと思ってるぐらいで」 「甘い考えだ」 「そうかな―」 話している途中でライは屈んだ。ライの頭上を剣が横切る。 「ジョークの分からねぇ奴らだな」 「頭の硬い老人の部下故に」 「違いねぇ」
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