誇れ、雷鳥

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ハニバルの部下だけあって態度は落ち着いているが冷や汗を流していた。 部下は後ろから斬りかかったのだ。それをライは簡単に避けてみせた。 まるで後ろに目がついているように。レベルが違う。そうはっきり認識出来た。 「ハニバル様!ご無事で!」 事態に気が付いた兵達がライに注目し始めた。 「ご苦労なこって。オレ一人に何人がかりだよ」 「ヌシをここで刺し違えれば、儂らにかなり有利になるのでな」 囲まれるライ。しかし、笑みを崩さない。腕を組んでいる余裕さえある。 「まぁ、こんくらい集まれば上々だろ」 「何の話よ?」 「さぁな」 ライが腕を解く。全員がライの動きに警戒する。ライは両手を左右に開き、拍手するかのように動かした。 「『木枯し』」 パァン!という甲高い音が響く。瞬間、ライの姿が消えた。 「!?」 「何処へ行った!?」 「探せ!」 「将軍に指一本触れさせるな!」
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