誇れ、雷鳥

54/104

46127人が本棚に入れています
本棚に追加
/1704ページ
軽いパニックになる。ライは一向に見当たらない。 「落ち着け!」 ハニバルの一喝。 「こうやって混乱させ、時間を稼ぐのが奴の狙いよ!警戒するなとは言わん!ゆっくりと落ち着くのじゃ!」 ハニバルはそう断言する。ハニバルとて心中ではそうではないかも知れないと考えている。 しかし、現状それが一番可能性が高い。この場に収拾をつけるには上が一番最初に道を示さなければならない。 そのハニバルの様子を見て兵達は段々と落ち着いていく。そしてかなりの早さで元の状態まで立ち直った。 「やはり居ません。『ライ』は何処かに行ったか、そもそも最初から居なかったのか」 後者が正しく見える。ハニバルをすぐに殺さなかった理由に繋がる。 「やはり少しでも時間を稼ぐのが狙いか……」 部下の報告にハニバルは魔力の城を見据えた。 「この城を攻撃されたくないという証明じゃな。効果があるようで何より」 ハニバルは号令をかけた。 「魔法隊、総員であの城を落とせ!」 ライの介入によって遅れること十分。『鶯城』へ攻撃が開始された。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46127人が本棚に入れています
本棚に追加