誇れ、雷鳥

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* 『西側!セリスさんを先頭に突撃を開始!孤立していきます!』 「今のところ敵がそちらを狙う様子はありません。周囲を警戒して奇襲に合わないようにしてください。深追いはしないように」 『東側!グレイさんが出たので士気は高くなりましたが依然として全体的には押されています!』 「防御を中心にして時間を稼いで下さい。中央の敵と挟み撃ちにならないよう気を付けて」 イリカは全体を把握し、それぞれに的確な指示を出す。ハルカはもうここには居ない。中央本隊へ移動した。 一人ぼっちであるがイリカに迷いは無い。セリス、ハルカ、グレイ。皆、信用にたる人物。失敗する筈がない。それに― 『中央!ライさんの行動が効いたようです!敵方混乱して『城』に魔法が当たっていません!』 これだ。イリカが最も頼りにしている偽物の兄。やると言ったらやってしまう。それがどんな無茶苦茶なことでも。 そんな後ろ楯があるからこそ、イリカは決して迷わない。
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