誇れ、雷鳥

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『イリカ、ちょっと良いか?』 「セリスさん?」 突撃したと聞いてしばらく経って、セリスから通信が入った。 『突撃は成功。相手もすぐに撤退に切り替えたみたいで思ったより被害は出なかった』 「有難うございます」 『それでわたし達の隊は孤立したわけだが、一つ妙な物を見つけた』 「妙?」 『相手にも孤立している隊がいる。丁度中央が見える位置だ。全く動かない』 ここでイリカの頭の中に一つの仮説が生まれる。 その隊は中央に集まった兵達を一網打尽にする為に必要なものではないか?という仮説。 セリス達が特攻して敵陣に食い込んでいるのは相手にしてみれば想定外の事態。 見つけたとしても不思議ではない。確証を得る為にイリカは問う。 「セリスさんの目から見て、その部隊に不審な点はありますか?」 その問いにセリスは少し考えてから返した。 『……かなり火の匂いがする。まるで火薬庫だな』
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