誇れ、雷鳥

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* 『ガラディーン』を破られグレイと一対一の勝負をしているウェイカーは表面上の怒気とは裏腹に冷静だった。 曲がりなりにも隊を率いて戦闘経験を積んで来た男。落ち着いてグレイの動きを確認する。 『魔装士』。そう呼ばれる人間の戦い方は大きく分けて二つ。 即ちその『魔具』に頼っているかそうでないかである。 リースは『魔具』を使ってはいるが頼ってはいない。 自分に出来うることを簡略化しているだけ。それ故に『魔具』を持っていなくても戦える。このタイプは総じて手強い。 ベクトルは違うが、トリスは頼りきっている。 その『魔具』ありきの戦術を組む為、非常にトリッキーな動きになりやすい。 ではグレイはどちらか。考えるまでもない。勿論後者である。 「『スピン』」 グレイが作った円にウェイカーが踏み込むと問答無用で身体が百八十度回転した。 その隙にグレイは地面を撃ち円を増やしていく。
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