銃王姫と二丁拳銃

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「いやいや、運がいいですねぇ。ロッパに渡った途端にこんな美しい女性に出会えるなんて」 「わたしを口説いてるの?」 「いえ、ただの感想ですよ。まさか女軍人さんが来るとは思っていなかったので」 へらへらと薄っぺらい笑い方をするテスター。女軍人の言い方にニーナは少しムッとした。 「わたしが女だから実力不足だとでも言いたいの?」 「いえいえ、そんな怖い顔しないでくださいよぉ。暴力は嫌いなんです」 一々神経を逆撫でするような発言をするテスター。ニーナのイライラは収まらなかった。 「別に貴女が実力不足な訳じゃないですよ。『見る』限りじゃ相当な実力者だ。ただ、『異端強者』よりは弱い」 構わずにテスターは続けた。 「レリオットさんという同士が来ると思っていたので、少々がっかりしたのは事実です。気を悪くしたのなら謝罪しましょう」 薄っぺらい笑みにニーナは怒りそうになったが、一日だけ、これは仕事と自分に言い聞かせて堪えた。
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