46125人が本棚に入れています
本棚に追加
「いやいや、運がいいですねぇ。ロッパに渡った途端にこんな美しい女性に出会えるなんて」
「わたしを口説いてるの?」
「いえ、ただの感想ですよ。まさか女軍人さんが来るとは思っていなかったので」
へらへらと薄っぺらい笑い方をするテスター。女軍人の言い方にニーナは少しムッとした。
「わたしが女だから実力不足だとでも言いたいの?」
「いえいえ、そんな怖い顔しないでくださいよぉ。暴力は嫌いなんです」
一々神経を逆撫でするような発言をするテスター。ニーナのイライラは収まらなかった。
「別に貴女が実力不足な訳じゃないですよ。『見る』限りじゃ相当な実力者だ。ただ、『異端強者』よりは弱い」
構わずにテスターは続けた。
「レリオットさんという同士が来ると思っていたので、少々がっかりしたのは事実です。気を悪くしたのなら謝罪しましょう」
薄っぺらい笑みにニーナは怒りそうになったが、一日だけ、これは仕事と自分に言い聞かせて堪えた。
最初のコメントを投稿しよう!