誇れ、雷鳥

63/104

46127人が本棚に入れています
本棚に追加
/1704ページ
「がああああ!!!」 叫び声をあげながら転がるグレイ。ウェイカーは『ドリフト』の効果が切れるまで止まらないのでしばらく滑っていく。 「お前のような『魔装士』は、手の内がバレる前に早期決着するのが望ましい」 その間にウェイカーは語る。 「しかし貴様の場合、円を作るという工程がいる以上どうしても戦いが長引きやすい」 「ぐぅぅ……!」 「貴様の『魔具』は、戦闘の定石に矛盾している。ただのポンコツだ」 『ドリフト』が解け止まるウェイカー。グレイは動けない。その場に留まっている。 「ポンコツで、悪かったな」 「何?」 「何度も言うがファミリーのボスって言ってもよ、俺に取り柄なんてねぇ。ならせめて、男らしく生きるのが俺のルールだ」 「男らしく、だと?」 「家族の期待に応えること。俺の流儀を守ること。それと、生きて惚れた女をからかうことだ」 膝をつきつつも地面に四つ、グレイとウェイカーの対戦上に円を作った。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46127人が本棚に入れています
本棚に追加