誇れ、雷鳥

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しかし、長年の戦闘勘がこの状況に警鐘を鳴らしている。 ウェイカーが出した結論は、試すことだった。 「『魔弾』」 「!」 ウェイカーの魔法。『鬼族』故に不格好なもの。威力も精々指先で小突く程度だろう。 当てることが目的ではない。グレイの円は魔法である以上、必ず魔力体に反応する。 『魔弾』の挙動を見てその円の効果を知れれば恐れるものは何も無い。 『魔弾』は円の上を通過する。そして、それは四つの円を通過して何の変化も無しにグレイに当たった。 円は、フェイク。ウェイカーはそう確信した。 「フハハハハハ!オレの勝ちだ!『反抗左翼』!」 高笑いをかあげ、ウェイカーはガードを下げ身体を『正面』に向けて走りだそうとした。 「あばよ」 その瞬間、グレイの銃から弾丸が放たれる。 ウェイカーには二つの誤算があった。 一つはグレイの作った四つの円の効果を正確に把握出来なかったこと。
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