誇れ、雷鳥

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「生きて帰って来るだけ御の字にしようぜ。戦場で『次』があるなんて、幸運なことなんだからよ」 「それは経験談?」 「オレは運が良すぎるんでね。ツキはねぇけど」 そんな他愛のない話をしていると通信が入った。 『こちらセリス。孤立部隊の制圧が完了した』 敵の別動隊と思われる部隊の制圧。これは向こうにも伝わる筈。条件は揃った。 これでハニバルが退けばこちらの勝ちは濃厚。相手に勝ち筋が無くなったということだから。 敵は撤退将軍。引き際は間違えない。 『…………動いた!動きました!敵本隊撤退を開始しています!ハルさん!出てください!』 イリカの興奮した声。読み通り。この戦闘、イリカが読み勝った。 「中央部隊に通達!『鶯城』を解いて道を開けなさい!こちらも本隊が出るわ!」 「「応!!」」 士気が上がる。ハルカも駆け出そうとした。 「大丈夫なのか?」 それを止めたのはライだった。
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