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状況はどう見てもレジスタンスが優勢。もうこれはひっくり返らないように思える。
それならば、あの人物ならばだめ押しとして何かをするはずなのだ。
ライは考える。考えるが、止めた。
自分は軍師ではない。何人か騙せたとしても、軍勢は動かせない。
戦略などチンプンカンプン。考えるだけ時間の無駄である。
「それに分かったとしても、『僕』にはもう何も出来ないしね」
姿を騙す魔法、『幻影』。声色を変える魔法、『声写』の常時使用。
ハルカの『異端』の感覚を騙す為に『麻痺』の魔法も併用。
それと敵の攻撃を逸らす為に『鶯城』の位置を大人数に『誤認』させた。
似た系統の魔法なので『連絡魔法』で繋ぐのは苦では無かったといえ流石に堪えた。
ライ。否、既にその姿はライではない。
細身の長身。白衣をたなびかせた女性はもう一度溜め息をついた。
「最高に面白い結末を期待してるよ、サンダーバード後輩」
フロウ・スターナリア。魔力枯渇により静かに戦闘不能。
レジスタンス本隊、突撃開始。
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