誇れ、雷鳥

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* ハニバルを討ち取ったという報告を受けて、イリカは大きく息を吐いた。 若干足止めされたものの、現在は散開して逃げた兵の追撃に当たらせている。 「ふぅ……」 もう一度息を吐いて今回の戦いを振り返る。決して満点の戦いではない。次に活かさねば。 特にマリアが狙撃されたこと。チフユが居たから良かったもののあれで厳しくなってしまった。 その点を除けば全体的に押せていたので良かったが。 「…………あれ?」 その時、イリカは初めておかしなことに気付いた。 『何故、全体的に押すことが出来た?』 事前情報では敵軍との戦力は互角。セリスやブラウゼル、グレイという優秀な将が居たとはいえそれは相手も同じはず。 では、何故特別な策を施していないのに押すことが出来たのか。イリカの中に一つの仮説が生まれる。 『敵はまだ人数的余裕を残しているのではないか?』 思い付いてすぐにイリカは首を振る。そんなはずはないと。
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