誇れ、雷鳥

78/104

46126人が本棚に入れています
本棚に追加
/1704ページ
* セリスは焦っていた。それは包囲されたからではない。 セリスの部隊は突撃して孤立していたおかげでレジスタンスの中で唯一包囲されていなかった。 中央に居るのは追撃の為に速さを重視しているハルカの部隊と消耗しているグレイの部隊。 包囲を突破するには何処かをぶち抜かなければならない。重装兵を突破するだけの力が中央部隊にはない。 その力が最もあるのはセリスの部隊である。だから早く戻らねばならない。しかし― 「オルレァ!」 「ぐっ……!」 思いっきり足止めを食らっていた。相手にしているのはガラン。 一度逃げた部隊が再び舞い戻ってきた。 「こいつらを絶対に戻させんなよ!気合いいれて時間を稼げ!」 「くそっ!何でこうも『忍族』は!」 嫌らしい働きをするんだとセリスは叫びたくなった。味方の内は頼もしいが、敵になるとこうも鬱陶しい。 セリスもガランも肉体強化魔法をひっきりなしに使っているので魔力が少ない。完全な泥試合と化している。
/1704ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46126人が本棚に入れています
本棚に追加