銃王姫と二丁拳銃

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「これはニーナさんは寛大で。ではまず―」 テスターは近くにある喫茶店を指した。 「ふむ。やはり故郷の味とは違いますね」 コーヒーを飲みながらテスターはそう感想を溢した。マイペースであり、裏があるのかどうか分からない。 ただ、似合っていた。『異端強者』であることを除けばただの絵になる青年の姿。 「君は、人間っぽいね」 ニーナの口から思わず声が漏れた。 「と言いますと?」 「わたしが聞いてきた『異端強者』っていうのはもっとネジがぶっ飛んだ人間だったから」 「……それは、わたしが誉められてると解釈しても良いですかね?」 「一応ね。わたしは君が嫌いだけど」 「ひどいことを」 テスターはもう一度コーヒーを口に運ぶ。 「ガナシアさんやレリオットさんと違いますからね。今まで『異端強者』とは関係ない普通の生活を送ってきたわけですし」 「君が目覚めたのはつい最近なの?」 「ええ。正確には自覚したのは、ですが」
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