誇れ、雷鳥

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セリスは武器の性質上、蹴りは多用するが拳はあまり使わない。 ましてや両手が空いた状況など早々ない。だから、セリスの放つパンチは素人丸出しのテレフォンパンチ。 しかし、空中に居るガランに避ける術は無い。狙うは正中線。負けじとガランも足を伸ばす。 「はぁぁぁ!!」 「こなくそ!!」 ガランの心臓に衝撃が訪れるのとセリスのこめかみに爪先が突き刺さるのは同時だった。 パンチの威力が強いのでガランは吹っ飛ばされる。セリスはその場で膝をついた。 「チフユみたいには、いかないか……」 「セリスさん!無茶はしないで!」 止めを刺す為に立ち上がろうとするセリスだが三半規管を蹴り抜かれたのだ。まともに立てずに部隊の人間に支えられる。 「ガランさん、しっかり!」 「息が、上手く、できね……」 ガランも似たような者で担がれて後ろに消えていった。 ガラン・ハッド、セリス・サンダーバード。両者一時退却。 ロッパ王国軍、包囲進行中。
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