誇れ、雷鳥

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範囲が広すぎる。いくら『異端』でも限界がある。通信越しから、ハルカの雰囲気が伝わってきた。 「……このままじゃ、無駄に死ぬぜ」 追い討ち。その言葉でハルカは決断したらしい。 『……全軍、撤退開始。イセンを抜けてガルへと逃げるわ』 敗走。覚悟していたとはいえその事実が深くグレイにのしかかって来た。 損害は大きいだろう。相手も勢いに乗る。もう、勝てない。革命は、失敗した。 『あー、あー、聞こえてるか?』 その時、新たに通信が入った。 「ライ?」 『ライ?』 グレイとハルカは同時に聞き返す。 『やーっと繋がったぜ。マジで苦労した。まぁ、これから働くんだけどな』 「働く?」 その言葉に違和感を覚える二人。 『それ、どういう意味よ?』 その言葉をハルカが発した瞬間、通信機越しでも分かった。脳裏に浮かぶのは、あの意地の悪いが、頼りになる微笑み。 『俺は革命家だ。負け戦をひっくり返すのが仕事なんでね』
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