誇れ、雷鳥

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「バドくんがそれ言うかなー」 『忍族』の女性、フゥは苦笑いを浮かべる。 「何の話だ?」 「ここに来るまでに何回奴隷を庇ったのさ?いくら頑丈って言っても、限度があるでしょ」 「他の班の奴らにも色々手を回してたみたいだしな」 フゥとドグにそう言われてバドは帽子をかぶり直した。ツバで照れた目を隠すように。 「そろそろ、僕達も前に出る頃だね……」 ルゥは現実的な一言を口にする。 「にゃはは……地獄に一緒に行くって言ったけど、これ地獄に続いてるのかな?」 「少なくとも、天国じゃねぇことは確かだ」 「……だろうな」 ドグは目を瞑っていた。ゆっくりと時が流れる。 「オレから一つ、提案がある」 ドグの言葉に、全員が耳を傾けた。 「このまま戦いもせずに死ぬくらいなら、あそこに居る貴族連中に一泡吹かせてやろうぜ」 その言葉に、ルゥは腰を抜かす程驚いた。 「しょ、正気!?貴族様に逆らったらどうなるか……!」
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