3人が本棚に入れています
本棚に追加
コインランドリーからバイト先のCDショップまで10分くらいで着く。今日のバイトは19時からだったのでゆっくり行った。
CDショップに着いたのは18時48分だった。俺は自転車を2輪車専用の駐輪所に止めた。俺は自転車に鍵をして、従業員専用の入口からCDショップに入った。
「こんばんわっす!!」
俺は店の休憩所で休んでいる先輩に挨拶をした。
「おう!!今日は最後までか?」
「はい!そうっす!!」
「そうか。まぁ~頑張れよ!!」
「はい!」
……俺はこの先輩と仲がいい。年齢は俺よりも1つ上だ。名前は鬼塚嵩(おにづかたかし)、夢は俺と同じプロのミュージシャンになることだ。
俺は従業員専用の入口の近くにある自分のロッカーを開けて、中に入っていた店専用の上着を着た。この上着は、2週間に一度洗濯している。俺はズボンの右ポケットに入れていた、ごみ袋を取り出してロッカーに入れて、ロッカーを閉めた。
そして、俺は鬼塚さんの向かい側の椅子に座ってた。
「なぁ~まさお!今日、バイト終わりに一曲歌ってくれねぇか?」
「い…いいっすけど、どうしてまた?」
「今日は……お前の歌が聞きたいんだ…。いいだろう?」
鬼塚さんはいつもと雰囲気が違った。
「……はい…リクエストは?」
「また、お前がバイト終わって俺が来た時に言うから!」
「わ…わかりました」
俺は鬼塚さんが俺に何を歌わすのか気になった。
暫くして、店舗内に通じるドアが開いた。
ぎー
「あ!!おつかれっす!!」
平は俺と鬼塚さんを見て挨拶した。
「今日の19時からは小林さんだったんすか!!」
「そうだ!」
……平清武(たいらきよたけ)、俺よりも2つ下のはたち。夢はプロのバイク乗りになることらしい。
平は鬼塚さんの隣に座った。
「今日は客少ないから、楽っすよ!!ねぇ~鬼塚さん?」
「そうだな!」
「そうなんすか!!じゃ~今日はサボれますね!!」
ハハハ
俺と鬼塚さんと平は笑った。
俺は休憩所の壁掛けの時計を見た。ちょうど19時だった。
「さて、仕事してくるか!!」
俺は立ち上がり、平が出てきたドアから店内に入った。
最初のコメントを投稿しよう!