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「……100円で30分、200円で1時間かぁ……」
男は壁の張り紙を見て呟いた。
バタ
俺はごみ袋に入っていた洗濯物を乾燥機に入れて蓋を閉めた。そして、200円を入れて乾燥機を動かした。
ブォーン
俺は一段落したので外で一服しようとした。
「あの…あなたは洗濯物を乾燥機で乾燥させている間、どうなされるのですか?」
男は俺がコインランドリーを出ようとした時に言った。
「……今からバイトして、また、1時間に戻ってくる!!」
俺は素っ気ない感じで言った。
「…そうですか…」
男はがっかりした。
「…わかったよ!!知り合いを呼んでやるよ!」
俺は男が1人でここにいるのがイヤなように思えたからこんなことを言った。
「え!?」
「…そこで、待ってろ!」
そう言うと、俺はコインランドリーを出て、近くの公衆電話で平に電話した。
トゥルル…
「もしもし、平ですが?」
「あっ!ども、小林です!あの…平くん居ますか?」
俺は優しく言った。
「清武なら部屋に居ますけど、なにか?」
「ちょっと…代わってもらえます?」
「はい、わかりました!!」
「…」
「もしもし、平です!」
平が電話に出た。
「平!悪りぃんだけど、バイト近くのコインランドリーに来てくれないか?」
「え!?いいっすけど……どうしてですか?」
平は不思議そうに聞いた。
「いや…今、コインランドリーの近くの公衆電話から電話してんだけど、コインランドリーに変わった奴がいんだよ!!」
俺は今、あの男に対して思っていることを正直に言った。
「変わった奴ですか…?」
「そうだよ!なんか乾燥機使ったことないから使い方教えてくれとか、200円入れたのにどれくらいかかりますかとか聞いてくるんだよ!」
俺は今さっきの男とのやり取りを平に言った。
「…はぁ」
「それで、俺が先に帰ろうとしたら、寂しそうな顔して俺を見るんだよ。…1時間そこに居てやってもよかったんだけど、俺、今、バイトしてるだろう?」
「はい…」
「それで、平にコインランドリーに来てもらって、その男の相手をしてもらおうと電話したんだ!!」
俺は平に全て話した。
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