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俺はタバコを2本吸った後、コインランドリーに戻った。コインランドリーに入ると、あの男が乾燥コーナーの長椅子にちょこんと座っていた。
俺は男の隣に座った。
男は俺に気づき俺を見た。
「…もうすぐしたら、知り合いが来るから、そいつとここで乾燥が終わるまで待て!」
俺は正面を向いたまま言った。
「あ…ありがとうございます」
男は俺に頭を下げて礼をした。
「べ…別にいい…」
俺は照れ臭かった。
「ほ…本当は…近くの公衆電話から彼女に電話しようと思ったんですけど……なんか、カッコ悪くて…」
男は頭を傾げながら、言った。
「そか!」
俺は素っ気ない感じで言った。
「あっ!そうだ!!」
男は足下にあった鞄から財布をだした。
そして
「これは、御礼です!!受け取って下さい!」
なんと、財布から5万円を出して、俺にくれようとしたのだ。
「そ…そんなのいらねぇよ!」
本当は喉から手が出るほど欲しかったが、俺は突然言われたので、躊躇した。
「そんなこと言わずに……さぁ…」
男は俺の目の前に1万円札5枚を見せた。
パシ
俺は欲に負け、5万円を受け取った。
「あ…ありがとう」
俺は礼を言った。
「御礼を言うのは私の方です!」
……俺は5万円を札が1枚も入っていない財布に入れた。
ブロロ
暫くして、平が単車でここに来た。
俺とその男はコインランドリーから外に出た。
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