3人が本棚に入れています
本棚に追加
俺、小林政男(こばやしまさお)は今、人生最大の時を迎えようとしていた。
彼女の石村桃子(いしむらももこ)にプロポーズをしようとしていたのだ。
喫茶店に入って1時間……。約束の時間はとっくに過ぎていた。
俺は目を瞑りながら、頭の中でプロポーズの脳内演習をしていた。
すると
「ごめん、遅くなった…」
と謝りながら、ももこがやって来た。
「そっちに座って!」
俺はももこを俺の前に座らせた。
「ももこ…俺たち、付き合って五年目だよなぁ~」
「うん!」
「この前の2人でしたももこの誕生日。俺、今まで1番思い出に残ってるよ!」
「……」
「俺、こんな思い出をももこと一緒にたくさんこれからもずっと作って行きたいんだ!」
「…」
「まーくん!ごめんなさい!!」
「!?」
ももこはそう言うと、喫茶店を出ていった。
「ももこ~」
俺はももこを追ったが、ももこは見つからなかった。
……この時、俺はももこがなぜ突然、喫茶店を飛び出したのかわからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!