第4話

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岡野「な、な、なにって……あなたがっ!!」 (寝ぼけて、僕にでこチューしたんでしょおぉぉぉっ!!) と、言いたいけど、それを言ってしまっても気まずくなりそうで、僕は言葉をそこで切って立ちあがる。 岡野「なんでもありません」 喜多嶋「……今のは忘れろ。……寝ぼけてた」 ぼそっと呟かれ、僕はカッと顔を赤くした。 岡野(寝ぼけてた?……ってことは、寝ぼけて、僕を恋人と間違えたってことだよね。なんだか、それがひどくショックだよ……) 「本当に?」 なぜか聞き返してしまう。 喜多嶋「……疑うな」 岡野「……そうですか……」 ただよう微妙な空気……。 岡野「冷えないうちに、お昼ご飯食べてくださいね。ブランチはチーズたっぷりのトーストなんだから、とろとろのうちにどうぞ」 喜多嶋「わかった」 僕はなんだか割り切れない空気を振り払うようにベッドルームを出た。 喜多嶋「……まいったな……わかってたのに、手放せなかった……」 なにか言われたけれど、聞きとれない。 岡野「え?」 喜多嶋「なんでも……ない」 岡野「それじゃあ、ご飯……」 喜多嶋「今、行く」 岡野(まだ、体に喜多嶋社長の熱が……残ってる……まるで僕の心の奥に、小さな火を灯したように--)
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