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呼びだされたのはオフィスビルの屋上??。
ぶわっと風が強い。
岡野(なんでこんなところ?)
きょろきょろ見回すと、屋上には先に葛原さんが来ていた。
葛原「来たな」
岸「連れて来た」
岡野「あの……なにか……」
岸「事態が悪化してる。どうしたんだ?」
冷淡につきつめられ、視線をさまよわす。
岡野「あの……独身寮に行くことになって……」
葛原「なんで?」
葛原さんが声をあげた。
岡野「な、なんでと言われても、社長からそうするようにって……」
岸「あー、そんなのは、額面通りに受け取ったらダメなんだよ」
岸さんが、自分のきれいな前髪をくしゃくしゃっと手で混ぜた。
外だと色素の薄い髪が日に透けて、よけいきれい……。
岡野(って、見惚れてる場合じゃない)
葛原「話しあえ」
岡野「話し合いました!でも、ダメなんです。僕が……僕が気持ち悪いから……」
尻すぼみに言うと、ふたりが顔を見合わせる。
岸「それは誤解だと思うけどな」
岡野「えっ……」
葛原「あれは、どう見たって、社長が岡野を大事にしたいがゆえの、ねじれた愛情だろ?」
岸「だから、もう一度話しあえ。じゃないと、最終兵器を送りこむぞ」
岡野「……っ!!」
結局、それで解放してもらえた。
岡野(最終兵器って……??)
でも、すぐにその意味を知る--。
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