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ベッドの上で正座をして、
拝んでから、
あたしは箱をあけた。
そこには、指輪があって、手で恐る恐るつまんでとって、まじまじと眺めた。
とても嬉しくて、指輪といえば薬指、と、右手につけるか左手につけるか悩んで、左手の薬指に、スッと通した。
……でかい。
ブカブカだ。
「さすがヤマ兄殿」
呟きながら、寝転ぶ。
爪が甘い。でも不良品じゃないだけ、いっか。
クスクスと笑いがこみ上げてくる。
指のつけ根に笑顔があるみたい。
見てると楽しくなる。
不格好に着飾った指が可愛いくて、いつまでもいつまでも眺めていたくて、
手を広げ、ライトにかざしてみた。
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