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そして、あたしとキョウの誕生日のお祝いをする、その夕方。
タカ兄に追われたキョウはなぜか七三分けになって、リビングに帰ってきた。
意外に似合っているのが不思議だ。
そして、あたしは、
「髪やってやるよ」
と、タカ兄があたしの髪の毛を編み込みしてくれている。
「こんなワンピース持ってたっけ?」
「……さっきお母さんから渡された。もし良かったら着てほしいって人がいたそうだ」
「へえ」
「父上様からかのう」
「さあな」
「……タカ兄も肩の荷がようやくおりるね」
お父さんの代わりみたいに今まで見守っていてくれたのだから。
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