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なのに、キョウのじっとりとした視線をうなじで受け止めた。
「あーちゃん可愛い!」
と、七三分けのまま寄ってくる。
キョウとは恋の話なんかしないから、最近のことはわからないけど、むやみやたらに女子とは付き合ってはいないことは、なんとなくわかる。
「あーちゃん……」
と、急に難しい顔をする。ちょっと相談にのってほしいみたいなそんな顔。
「むむっ?」
「あーちゃん。知ってる?弁護士ってさ、司法試験受けるまでも大変で、なるまでにすごい時間かかるんだってさ。
ようやく弁護士になりました。はい結婚ですとかなっても、しわしわのおばあちゃんになっちゃうかもしれないよね!
やっぱり弁護士目指してるような人とは付き合わないほうがいいよね!」
ヤマ兄のことを言ってるとしか思えない。
「キョウ殿!」と、言い掛けると、ヤマ兄が「ただいま」と、顔をだして、何も言えなくなる。
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