1098人が本棚に入れています
本棚に追加
振り返るとお母さんがいた。腕組みをして、ちょっと微笑む。
「……お父さんに報告」
と、言うと、頷く。
「本当にねー。アサカがこんなにみんなに可愛がられているから、お父さんも嬉しいだろうね」
「嬉しい?」
「うん。アサカがね、この家に来たとき誰がいちばん喜んだと思う?」
「お母さん?」
「お父さん」
「お父さん?」
「アサカが来た途端、抱きかかえて息子たちに姫が来たぞー!って、見せてね。
もう本当に大はしゃぎで。本当に子供みたいだったわ。子供より子供みたいだった。
タカイチなんか、姫ーってお父さんの真似して言ってたっけ。
ヤマトはよちよち歩いて、我関せず。
キョウはなぜか大泣きしてたなー。
アサカがこの家に来た日のこと、昨日のことのように覚えてるな」と、楽しそうに言う。
最初のコメントを投稿しよう!