1098人が本棚に入れています
本棚に追加
「……お母さん」
「でも昨日じゃないのよね」
と、お父さんの遺影を見上げて呟いた。
「お父さん、女の子欲しかったみたいでね。すごい可愛がってたわよ。デレデレな顔ばっかり思い出しちゃう。
アサカのファーストキスは間違いなくお父さんよねー。
あたしもファーストキスの相手はお父さんだったけど」
と、年甲斐もなく頬に手を添え、目を閉じるお母さん。
昔の思い出にでも浸っているのか、
恋する乙女のようにも見え、何も言えなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!