初めてのキスは。

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遠く、声が聞こえる。 「あーちゃん!まだこないのー?置いてくよー!あれっ?もしかしてヤマト!」 キョウの慌てた声。 「まったく兄妹でさかんなよなー」 タカ兄の呆れた声。 「さかるって何よ?」 と、お母さんの疑問の声。 玄関のドアを開けるとき、あたし達はいつもいってらっしゃいのキスをしていた。 だから、兄妹でキスをするのは当たり前だった。 大きくなって、外にでて、それは非常識なことだということを知った。 そして。 大きくなる度、普通になろうとして、 大きくなる度、爪先立ちすることが多くなって、 だけど、地に足をつけて、愛する人が周りにいることに気づいたときに、やっぱり思う。 だけど。 それは、あたし達の中では常識だ。 be happy and smile
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