降り積もる思い。

5/10
前へ
/236ページ
次へ
「アサのせいだからな」と言って、見えた携帯の着信画面。 そこには、レンくんの名前。 「出ないのかの?」 「絶対、冷やかしだ」 「冷やかし?」 「アサがあんなこと言ったから」と言って、しぶしぶといった手つきで、通話キーを押下した。 「なに?」って開口一番に嫌そうな声。あたしなら、とてつもなく落ち込んでしまいそうだ。 「うん」と、適当に相槌を打ってるみたいだけど、会話の内容はなんとなく想像つくのだ。 「会ったけど」 たぶん、きっと。あたしと会ってどうなった?みたいな話じゃないかって。 おせっかい。 「うるせーよ」 なんか本当に嫌そうだ。 それから、ああとかうんとか言って、「それは、お前でも赦さないだろうな」と言って、通話を終わらせた。
/236ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1100人が本棚に入れています
本棚に追加